密の庭で遊ぶ少女たち遥か未来に思いを馳せるとき・・今、生きている今の時間がかけがえのない懐かしい思い出なのだ

涼 夏

 

涼 夏

Natural Summerwind


 

 

涼 夏

H90.0cm×45.0cm Oil On Board 1998~1999

 発 表 

弓手会/ 横浜高島屋 1998

秘密の庭で遊ぶ少女たち/谷神健二展 青木画廊 1999

作家たち展 /埼玉近代美術館 1999

 

青木画廊委託

 



ぼくたちに吹く風

 ひまわりの迷路を歩いた

背丈より高いひまわりに囲まれ

目的地の出口を目指して

「迷うことに意義がある」

ひまわり見物などしていられない

だんだんと日が暮れてきた

インチキはイヤだからまともに回っていた

初めの頃は他に人もいたのだけど

だんだん子供たちも

いちゃいちゃのカップルさんたちも

まばらになって

ついにどこを、どう曲がろうが

人影も話し声も聞こえなくなった

すでに迷路は闇に閉ざされていた

「どうしよう?」

「どうする?」

広いひまわり迷路の四隅のどこかの

監視塔からのスピーカーで

「あと5分程で閉園になりま〜す、

まだ、園内にいられる方は至急

出口まで・・急いでくださ〜い!」

どこをどう急げばいいのか

真っ暗だし

「もう、いいよ」

君が言った

「なにが?」

「焦ったって出口にたどり着けないし」

ひまわりの影に縁取られた狭い空と

心地よい、

夜風がぼくたちだけのものになった