STYLING/1990
夏の日の自画像

 

 

 思春期の異性に対するナィーヴな憧れの回想

 子供の時代の学校生活はいろいろなものを人に残している。これは一種の回想絵画と言えるものだが、何と言っても面白いのは、女学校というわけでもないのに、遊んでいる生徒をすべて女子に仕立てていることである。しかも、全裸の子が多数いて、もし、こんな学校があったとしたら、今でも楽しい。

 遊び時間と見られるが、一日中遊んでいる学校のようにも見える。

 さらに面白いのは、この情景のなかに、唯一の男子である自分ひとりをさりげなく置いて、少年の夢をあたかも現実であるかのように、鮮やかに描きだしていることである。

思春期の少年の異性に対するナィーヴな憧れを具象化したまことに類例のない回想形式の自画像である。


瀬木慎一

 

週刊ポスト 1994/6・17 掲載  POSTギャラリー /文 瀬木 慎一  


夏の日の自画像 

 

1994 oil on canvas p40(japan size)

発表 1994 青木画廊

  

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